日本立腰

 
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2023/10/24

腕を磨く

 
 
 
 
 
日本武術と中国武術は

どちらが強いのか?とか

 

世界で一番強い武術はどれか?

 

といった議論が

昔はされていました。

 

                  

世界最強の武術や

流派があるのではなく、

世界最強の人物が居るだけです。

 

その人物は例えば

ある一定のルール内における

格闘技世界大会等で選出されます。

 

それでも格闘技の大会は

色々あるわけで、

 

ボクシングで世界最強になった人が

総合格闘技で世界最強になれるとは

限らないし、逆もまた真なりです。

 

金的や目突き、噛み付き

などの攻撃以外はOKの

総合格闘技の世界チャンピオンが

世界最強の格闘家なのか?

と言われれば、そうとも限りません。

 

だから誰が世界最強か?

なんてなかなか分かる事ではないですが、

 

ただ、どのルールであっても

チャンピオンクラスになる人

には共通する特徴が1つだけあります。

 

それは、

 

「身体をより構造通りに使えている事」

 

です。

 

              

だから、武術や格闘技で

強くなりたいという

モチベーションがある人は

 

身体を構造通りに使える

ようにしていく身体開発

 

に取り組む価値があります。

 

               

1つでも身体をより構造通りに

使えるようになったら、

 

通常のフィジカルトレーニングや

技術トレーニング、栄養などの

体調管理がクリアできている状態であれば

 

必ず今よりも強くなれます。

 

               

筋骨格系で言うと、全身200数個の骨、

365個の関節、650個の筋肉

という構造をどれだけ

その構造通りに使いこなすか?

が鍵を握るわけですが、、、

 

そんな中、見落とされがちな

大事な部分があります。

 

「上腕骨」です。

 

身体を構造通りに使いこなすとか

身体開発とか言うと、

 

「背骨」や「肋骨」の開発だ!

と躍起になる人が多いですが、

 

上腕骨が開発されていないと

背骨や肋骨は開発されません

 

「上腕骨」が開発されていない

格闘家や武術家は非常に多いです。

 

肩甲骨が武術でも整体でも

ブームになりました。

 

肩甲骨は肋骨の上を

自由に動ける構造だから

 

その肩甲骨を肋骨から剥がして

肩甲骨を使いこなそうという

分かりやすい発想です。

 

しかし、そこに

危険が潜んでいます。

 

肩甲骨を動かす練習をして

良くなった人もいますが、

 

逆にパフォーマンスが

下がった人も沢山います。

 

なぜそんなことが起きるのか?

 

理由は1つではないですが、

その中の大きな理由の1つが

”上腕骨”の開発が取り残されて

しまっている事です。

 

肩甲骨は肩甲帯の一部だから、

鎖骨も同じように開発する必要がある…

 

ここまでは

やろうとする人がいても、

 

上腕骨の開発を

忘れてしまっている人が多い

 

ということは…

 

前腕も手の開発も

出来ていない人が多いという事です。

 

古くは、

 

肘から手首までの前腕を「小手」

肩から肘までの上腕を「腕(ウデ)」

 

と言いました。

 

更に古くは、

 

前腕部の事を「腕(ウデ)」と呼び、

上腕部の事を「腕(カイナ)」と呼びました。

 

腕が鳴る

腕を振るう

腕が上がる

腕がある

腕の見せ所

腕前

腕っ節

腕がいい

腕利き

腕が冴える

腕が立つ

腕比べ

腕を競う

腕自慢

腕次第

腕揃い

腕達者

腕頼み

腕試し

腕に覚えがある

腕に磨きを掛ける

腕に縒りを掛ける

腕捲り

腕を撫でる・さする

腕を伸ばす

腕を発揮する

腕を磨く

怪腕

片腕

才腕

凄腕

鉄腕

右腕となる

痩せ腕にも骨

腕白

 

といった言葉が残っている通り、

「腕」つまり「上腕骨」

いかに人間の能力にとって

重要な箇所であるかが分かります。

 

肩甲帯とは解剖学用語ですが、

上腕骨・鎖骨・肩甲骨・胸骨・肋骨

で構成される機構(メカニズム)

のことです。

 

この機構の事を昔日の日本人は

「懐(フトコロ)と表現しました。

 

肩甲骨は懐を形成する

1つの要素に過ぎないので、

 

肩甲骨ばかり動かすような

トレーニングをすると、

 

肩甲骨がある程度

動くようになった割に

パフォーマンスは上がらない

という事になります。

 

胸骨や肋骨も開発したければ、

上腕骨の開発をしないと

開発されません

 

理由は至ってシンプル。

上腕骨と肋骨が癒着して

しまっているからです。

 

上腕骨と肋骨が癒着を

起こすとどうなるか?

 

嫌でも肩が

力みやすくなります

 

武術では

「肩を無くす=肩透かし」

という極意があります。

 

上腕骨と肋骨が癒着すると、

上腕骨の近位部、精確には

上腕骨中段から上段にかけての部分が

「肩」になってしまいます

 

つまり、解剖学で言う

三角筋という肩部の筋肉に

常に緊張が入った状態になります。

 

三角筋は鎖骨、肩甲骨に

繋がる筋肉ですから、

 

この筋肉に常時緊張が入り

癒着を起こすと、

肩甲骨と上腕骨が癒着します。

 

つまり、上腕骨が外にあり、

肩甲骨が内にあるという構造ですが、

 

上腕骨の内側で肩甲骨を

動かす事が出来なくなり、

 

肩甲骨と上腕骨が常に

一体としてしか使えなくなります

 

そして、三角筋は

アウターマッスルの極み

ような筋肉ですので、

 

三角筋が力むと、背中体表面の筋肉

 

つまり、肩甲骨の上に被さる

僧帽筋が動くだけで、

 

肝心の肩甲骨は

殆ど動いてくれません

 

また、三角筋前部の

すぐお隣には大胸筋があります。

 

三角筋前部が力むと、

連鎖して大胸筋も力みます。

 

大胸筋は鎖骨・胸骨から

上腕骨に繋がる筋肉です。

 

故に大胸筋が常時緊張すると

胸骨及び肋骨と上腕骨が

癒着を起こします

 

肩甲骨、鎖骨、胸骨、肋骨を

使いこなすにも、いかに

三角筋の力みを抜くかが

肝要であることが分かると思います。

 

三角筋に力みが入ったままで

上腕骨中段から上を

使えていない状態だと、

 

肋骨は下部肋骨しか

動いてくれません

 

三角筋の力みを抜くという事は、

そのまま上腕骨中段から上を開発する

 

という事です。

 

                     

三角筋という肩の筋肉がある部分の事を、

古の日本人は肩とは呼ばず、

「腕」と呼びました

 

解剖学的に見ても、

三角筋がある部分は

骨で言うと上腕骨で

まさに「腕」ですので、

 

昔の日本人がいかに

身体を構造通りに使えていたか

を物語っています。

 

武術の極意をスポーツや芸事など

何事かに活かそうとする事は

素晴らしいですが、

 

その腕を上げたければ、文字通り、

腕を腕として腕のまま開発し、

腕に磨きを掛ける事が肝要です。

 

by. フィジカリストOuJi

 

 フィジカリストOuJi剣術アカデミー

 

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