ここからクルン體操・奥義開傳
ー 鎖骨互動法を通じた、身躰三枚下ろし全身開發法
「ここからクルン」は、動きだけを見れば非常にシンプルな體操です。
しかし、同じようにクルンと廻っていても、體幹部を一塊にして廻ることもできれば、
肩や腕の動きによって外形をつくることもできます。
そこで見るべきなのは、廻ったという結果ではありません。
その運動の中で、どの骨とどの骨との関係が変化したのか。
ここからクルン體操・奥義開傳では、この問題を鎖骨互動法から紐解き、
本躰と側躰を切り分ける「身躰三枚下ろし」へと進みます。
一つのクルンを題材に、全身の構造間関係を研究する講座です。
◆「廻る」という一言では、何も分からない
身体を廻した時、外から確認できるのは「身体の向きが変わった」という結果です。
しかし、人間の體幹部は一個の構造物ではありません。
中央には脊椎があり、その周囲には肋骨がある。さらに肩甲骨、鎖骨、
上腕骨が関係しています。
これらを一塊にしたまま身体の向きを変えることもできますし、
それぞれの骨の間に運動を生じさせながら廻ることもできます。
外形上はどちらも「廻る」ですが、身躰内部で起きている運動は異なります。
だから、「もっと廻りましょう」「もっと捻りましょう」
という指示だけでは不十分です。
どこが動いたのか。
どことどこの関係が変わったのか。
ここまで見て、初めて「廻る」という運動を身躰構造から扱うことができます。
◆奥義開傳は、鎖骨互動法から始まる
今回の奥義開傳では、鎖骨を重要な入口として扱います。
鎖骨は胸骨と肩甲骨との間にあり、上肢と體幹部との関係を
考える上でも無視できない骨です。
ところが、腕を動かした時や身体を廻した時に、自分の鎖骨が
どう動いているのかを観察したことのある人は、それほど多くないでしょう。
本講座では、鎖骨だけを単独で動かす練習をするのではありません。
鎖骨と胸骨、鎖骨と肩甲骨など、鎖骨が他の骨との関係の中で
どのように運動するのかを扱います。
これが鎖骨互動法です。
鎖骨を入口として周囲の構造との関係を変化させ、そこから體幹部、
さらに全身へと研究対象を広げていきます。
◆身躰を「三枚に下ろす」
人間の體幹部には、中央に脊椎があります。
そして、その左右には肋骨、肩甲骨をはじめとする構造があります。
ところが、これらの間に存在する関節が十分に運動しなければ、
體幹部全体を一塊として動かすことになります。
身体そのものは廻っている。
しかし、その内部で脊椎と周囲の構造との関係がほとんど変わっていない。
ここを切り分けるために、フィジカリストOuJiは
「身躰三枚下ろし」という考え方を用います。
中央にある本躰と、その左右にある側躰。
魚の三枚下ろしになぞらえた名称ですが、
もちろん三つを別々に動かすことが目的ではありません。
本躰と側躰が一塊になっている状態から、
それぞれの間にある構造的な境界を明確にし、
互いに運動できる状態へ変えていく。
そのための「切り分け」です。
◆切り分けるから、互動できる
「全身をつなげる」と言うと、身体を一つにまとめるような印象を受けます。
しかし、互動という観点から見ると、最初から一塊になっているものは
互いに動き合うことができません。
脊椎と肋骨の間には関節があります。
肋骨と肩甲骨は同じ骨ではありません。
肩甲骨と上腕骨の間にも関節があります。
鎖骨も、胸骨や肩甲骨との間に関節を持っています。
人間の身躰は、もともと複数の骨が関係し合う構造としてできています。
その構造を無視して全部を一緒に動かすのではなく、
分かれているものを分かれたものとして使い、その上で互いに動かす。
身躰三枚下ろしは、そのために行います。
◆鎖骨互動法から、全身の互動へ
鎖骨互動法の目的は、「鎖骨を自由に動かせるようになること」だけではありません。
鎖骨の運動を調べれば、胸骨や肩甲骨との関係を見なければならなくなります。
肩甲骨を見れば上腕骨との関係が出てきますし、胸骨を見れば肋骨、
肋骨を見れば脊椎との関係へ進みます。
一つの骨を正確に研究しようとすると、結局、その骨と関係する別の骨を無視できなくなる。
それをさらに追っていけば、研究対象は全身へ広がります。
ここからクルン體操・奥義開傳で鎖骨を扱うのは、このためです。
鎖骨だけを開發して終わるのではなく、鎖骨互動法を通じて、
全身の構造間関係を変えていきます。
◆「全身連動」を構造まで下ろして考える
身体運動の指導では、「全身を使う」「身体をつなげる」
「全身を連動させる」といった表現がよく使われます。
問題は、それが具体的に何を意味するのかです。
全身が連動した時、どの骨が動いたのでしょうか。
どの関節が運動したのでしょうか。
一方の骨が動いた時、それと関係する骨には何が起きたのでしょうか。
「全身」という言葉だけでは、この説明が抜け落ちます。
身躰構造學では、実際に存在する骨と骨、
関節と関節の関係まで降りて運動を見ます。
その上で、複数の骨が互いに動き合うことを「互動」として研究します。
したがって本講座でいう全身開發とは、
漠然と全身を動かすことではありません。
局所で起きた構造間運動を、全身に存在する
構造間関係へ展開していくことを意味します。
◆なぜ「ここからクルン」なのか
ここからクルン體操は、動作そのものが複雑だから
研究対象になるわけではありません。
むしろ逆です。
動きが単純だから、自分が何をしているのかを観察しやすい。
クルンとした時に、腕の勢いで廻ったのか。
肩を固めていたのか。體幹部全体を一塊として廻したのか。
それとも、複数の構造間に運動が生じていたのか。
動作を複雑にしてしまえば、
この違いを別の運動で補うこともできます。
一つの単純な動作を研究対象にすることで、
普段どのように自分の身躰を使っているのかが見えてきます。
だから、クルンという動作そのものを
上達させることだけが目的ではありません。
クルンを使って、自分の身躰構造を調べる。
そのための體操でもあります。
◆形を真似するだけでは、同じクルンにはならない
見本と同じ位置まで腕を動かし、同じ方向へ身体を廻せば、
外形を似せることはできます。
しかし、その形をつくった身躰運動まで同じとは限りません。
ここで再び問題になるのが、
「どうやってその形になったのか」です。
鎖骨はどう動いたのか。
肩甲骨との関係はどう変わったのか。
肋骨と脊椎の間には運動が生じたのか。
本躰と側躰を切り分けた上で、
それらが互動した結果としてクルンしたのか。
本講座では、完成した形だけではなく、
その形が成立するまでの構造間運動を扱います。
「奥義開傳」として傳えるのは、この部分です。
◆ここからクルン體操・奥義開傳で學ぶこと
本講座では、「ここからクルン」を題材として、
まず鎖骨互動法から構造間運動を研究します。
そこから鎖骨と肩甲骨、胸骨、肋骨、脊椎、上腕骨などとの関係を調べ、
體幹部を一塊として動かしている状態から、本躰と側躰を切り分ける
「身躰三枚下ろし」へ進みます。
切り分けた構造を別々に動かして終わるのではありません。
それぞれが構造として運動できる状態をつくった上で、互いに動き合う。
その互動を全身へ展開するところまでが、
本講座で扱う身躰開發です。
したがって、ここからクルン體操を覚えること
自体が最終目的ではありません。
鎖骨互動法を通じて身躰を三枚に下ろし、
全身骨が互動できる身躰へ開發する。
これが、『ここからクルン體操・奥義開傳』で行うことです。
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『ここからクルン體操・奥義開傳』
ここからクルンという一つの運動から、鎖骨の運動を調べる。
鎖骨と肩甲骨、胸骨との関係を調べれば、肋骨、脊椎、上腕骨との関係が見えてくる。
そこから本躰と側躰を切り分け、身躰三枚下ろしを行い、全身骨の互動へ進む。
本講座でいう「奥義」は、複雑な技を新しく覚えることではありません。
普段何気なく行っている一つの運動を、骨と骨との関係まで分解し、
そこから全身の構造を使えるようにすること。
そのための方法が、
鎖骨互動法を通じた
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